おやすみプンプンのヒロイン 田中愛子(*1)は作中、長年虐待をしていた母親に包丁で襲われ、かえって母親を殺してしまった。そして逃避行の末、自殺に至る。
私は思った。
別に死ななくてもいいじゃん!そんなの正当防衛でチャラになるんじゃないの! と。
しかし実際、どのような判決を受けることになるのだろうか。調べてみた。
結論、たぶん8~10年。
長すぎ。最悪。
以下、本文。
その場に居合わせた二者が喧嘩の末、殺してしまった例
上の記事では、実際に過剰防衛(*2)が成立した事例が紹介されている。この事例では、
車を運転していた被告人が、赤信号で停車中に、被害男性と、車の割り込みをめぐって口論になったこと、そして、その後被害男性が被告人の車のドアミラーを蹴り、被告人の車の窓ガラスにしがみついたこと、被告人は、被害男性が窓ガラスにしがみついていることを認識しつつ車を急発進させ、1.2キロ走行させたことで、被害男性を転落させてタイヤでひ
いたようだ。
裁判では、懲役8年の判決がくだったそう。
じゃあ、長年虐待受けた愛子は5年くらいで済むんじゃあないでしょうか!次!
成人同士での、日常的虐待に対する報復の例
この論文で紹介されている下館事件では、成人女性間で売春強要・暴言・暴力が起きていたそうだ。
そしてこちらの事件でも、最終的には懲役8年の判決がくだされている。(Wikipedia下館事件から)
母子間での、長期虐待に対する報復の例
医学部9浪、母の殺害に至った壮絶な教育虐待 家出を試みるも、探偵を雇った母に連れ戻される
結構近い事例だ。親から子への長年の虐待。
成績が期待を下回ると激昂し、小学校6年生の時には包丁を持ち出して揉み合いになり、あかりの上腕を切ったことがある。中学2年生の時には、あかりが定期テストの結果が書かれた用紙の点数を改ざんしたことを知って熱湯を浴びせた。
さぞかし短い刑期なのだろうと調べると……
なんと10年!(Wikipedia滋賀医科大学生母親殺害事件から)
長すぎる!!!!
現実は甘くなかった。愛子も刑期8~10年程度見積もった方が良いだろう。
出所後も周りの目とか、銀行口座開設とか、色々な不都合が続いてくと考えると……辛いね……。
今や、これからを生きる子供たちに、救いの手があらんことを。
NO、虐待!
*1 田中愛子について:"ぶっ飛びメンヘラ女"のように扱われがちだが、とかく可哀そうな女の子だ。 彼女の人生について、作中から分かるのは、
- 熱心なカルト信者のシンママ家庭で被いじめ→転校を繰り返した小学校時代
- グラビアアイドルをした高校生時代
- 主人公と再会し、自殺するまでの大学生(?) 時代
のみ。さらに、具体的に描写される期間はごく短いながら、その壮絶な人生で強烈な印象を読者に残す。
*2 過剰防衛: 急迫不正の侵害に対し反撃したが、防衛の程度を超えた場合をいう(刑法36条2項)。へー。